執筆:現役の通信業界営業マン(プロフィール・情報の扱いについて →)
「auひかりの固定電話、使っていないから解約したい。でも、セット割が消えるって聞いたけど本当?」——現場でよく受ける相談です。auひかりを契約したまま見直したことがない方へ、現役の通信営業として正直にお話しします。
結論だけ先にお伝えします。auひかり電話を解約すると、auスマートバリューは原則終了します。UQ mobileの自宅セット割は「でんきコース」への切り替えで維持できる場合があります。そして、電話番号を残したいなら、auひかり電話を先に解約してはいけません——先に移行先へ番号継続を申し込まないと、戻せたはずの番号が戻らなくなります。
一目で判断できるよう、簡単な確認表を置きます。なお、電話だけを解約してもauひかりのインターネット契約自体は残り、ネットは引き続き使えます。
| 今の契約 | 電話を解約すると |
|---|---|
| auスマートバリュー適用中 | 原則終了 |
| 自宅セット割・インターネットコース適用中 | 原則終了 |
| 自宅セット割・でんきコースへ切り替え可能 | 維持できる場合あり |
| Wi-Fiパック利用中 | 月額負担が330円増える可能性 |
| 番号を残さない | KDDIお客さまセンターへ解約を申し込む |
| 番号を残す | 先に移行先の電話事業者へ番号継続を申し込む |
詳しい条件は以下で順に説明します。この記事では料金プランの一覧やエリアの説明はしません。それより大事なのは、「すでにauひかりを契約している人が、知らないまま損している部分」です。
私が担当した相談の範囲では、「セット割の条件を満たせていない」「使っていないオプションに毎月払っている」「キャッシュバックの受け取り条件を知らないまま解約しようとしている」というケースによく出会います。この記事では、固定電話まわりに絞ってその盲点をお伝えし、最後に自分なら個人としてどう判断するかを正直にお話しします。
この記事でわかること
- 固定電話まわりで見落とされがちな「セット割」「Wi-Fiパック」「オプション」「キャッシュバックの受け取り条件」の損しやすいポイント
- 解約したときに電話番号を残せる条件と、順番を間違えると番号が戻らなくなる手続きの話(auひかりを回線ごと解約する場合も同じ)
- 電話番号を手放す前に確認しておきたい、契約以外への影響(FAXや警備機器、登録サービスなど)
- 固定電話だけを解約したいときの、正しい問い合わせ先
- 現役営業が個人で契約するならどう判断するか
固定電話を解約する前に確認すべきこと
auひかりの固定電話(月額770円・税込。2025年7月の改定で550円から値上げされ、代わりに迷惑電話撃退オプションが無料化されました)は、単に電話番号を引き継ぐためだけのものではありません。セット割の適用条件になっていたり、Wi-Fiパックの料金に影響したりと、仕組みが入り組んでいます。ここを理解していないまま契約している人が多いです。

現役営業の現場から: 申し込みの流れの中では「固定電話も基本セットです」という案内のされ方をすることが多く、契約者自身が単体で選んだという意識を持ちにくいものです。だから使っていない・存在自体を忘れている、というパターンをよく見かけます。以下の話は、まず自分がauひかり電話を契約しているかどうかを確認してから読んでみてください。
セット割:正確な対象と「よくある誤解」
auひかりには、スマホとセットで使うと毎月割引になる制度が2種類あります。
先に一点。povo2.0はどちらの割引も対象外です。 すでにpovo2.0へ移っているなら、固定電話を解約するかどうか以前に割引が終わっている可能性があります。その場合に何を確認すればよいかは、スマホを格安プランに変えた後の光回線の見直しにまとめています。

「最大1,100円」は現行の主要プランでの上限額です。受付終了プランでは月2,200円・1,551円・1,027円など異なる割引額が適用されている場合があり、長く見直していない契約ほどこの旧プランに当たっている可能性があります。判断するときは、次の項目を確認してください。
| 確認項目 | 見る場所 |
|---|---|
| セット割の名称(auスマートバリュー/自宅セット割) | My au/My UQ mobile |
| 対象回線数 | 家族の各明細 |
| 1回線ごとの実際の割引額 | 請求明細 |
| povoなど対象外回線の有無 | 各回線の料金プラン |
| 解約後に代わりに適用される割引の有無 | au/UQへ確認 |
auひかりを対象回線にする場合の重要条件: auスマートバリューと自宅セット割の「インターネットコース」は、原則として「auひかり(ネット)+auひかり電話」が必要です。UQ mobileの「でんきコース」は条件が異なります。
ここで一つ例外があります。UQ mobileの自宅セット割には「インターネットコース」と「でんきコース」があり、でんきコースの対象は「auでんき」ですが、現在「UQでんき」を利用中の方はUQでんきのまま自宅セット割に申し込めます。 条件を満たせば、auひかり電話なしでも割引対象になり得ます。一方、auスマートバリューには同様の「でんきコース」がなく、auひかりを対象回線にしている場合は原則として「ネット+電話」が必要です。
したがって、UQ mobileと対象のでんきサービスを利用している人は、固定電話の解約前に「でんきコースへ切り替えて割引を継続できるか」を確認する価値があります。auでんき(またはUQでんき)を契約しているだけで自動的に割引が維持されるわけではありません。 対象のUQ料金プラン、契約名義、住所などの条件と申し込み状況を、UQ mobile公式サイトまたはMy UQ mobileで確認してください。切り替えの手続きはUQ mobile公式の自宅セット割お申し込み手順から進められます。一方、auスマートバリューには、でんき契約だけで適用条件を満たすコースがないため、auスマホでauひかりを対象にしている場合、電話を解約すると原則として終了します。 解約前に必ずMy auまたはサポートへ確認しましょう。
固定電話を解約する前に、もう一つ確認しておきたいのが電話番号の扱いです。 番号を残せるかどうかは、まず「その番号を最初に発番したのがどこか」で大きく分かれます(ただし、発番元だけで可否が確定するわけではありません)。ここは解約可否を左右する大きなポイントなので、次の章でまとめて解説します。
ちなみに、こうした「固定電話なしでも割引を維持できる例外」はどの回線にもあるわけではなく(ソフトバンク光・J:COMなど回線によって条件が異なります。関連記事は本記事末尾)、またauスマートバリューはauひかり以外の光コラボ・ケーブルTV事業者でも使えるため、auスマホだからといって「auひかりにしないとセット割が使えない」わけでもありません。
Wi-Fiパックと固定電話の関係(知らないと損する仕組み)
auひかりのHGWをWi-Fiルーターとして使うには、「Wi-Fiパック(内蔵無線LAN)」への申し込みが必要です。この料金に、見落とされがちな仕組みがあります。

auスマートバリュー、または自宅セット割・インターネットコースの適用中は、Wi-Fiパックの月額利用料が通常660円から330円割り引かれ、支払額は330円になります。 でんきコースはこの330円割引の対象ではないので、でんきコースへ切り替えて維持できるのはあくまでスマホ側のセット割で、Wi-Fiパックは660円のままである点に注意してください。auひかりを対象にauスマートバリューまたは自宅セット割のインターネットコースを申し込む場合は、原則としてauひかり電話が必要です。
固定電話を使わない場合、Wi-Fiパックだけで見ると「770円払って330円浮かせる」形になり、差し引き440円の負担増です。ただし、これはWi-Fiパック単体の話にすぎません。実際に得か損かは、次の式で世帯全体の増減を計算してください。
電話解約後の実質増減 = 削減できる電話基本料・電話オプション料 − 失うスマホセット割 − 失うWi-Fiパック割引(330円) − 失う電話側の初期費用相当額割引(残っている場合)
例えば、auスマートバリュー1回線(月1,100円割引)とWi-Fiパックを利用中で、電話側の初期費用相当額割引がすでに終わっている世帯なら、770円削減-1,100円の割引消滅-330円のWi-Fi割引消滅=世帯全体では月660円の負担増になります。「最大1,100円」という上限額だけで判断せず、この式に自分の実額を当てはめてみてください。
なお、Wi-Fiパックの330円割引そのものも、auひかりを解約するかauスマートバリュー・自宅セット割インターネットコースの対象から外れた場合、前月をもって適用が終了します。 割引が消えるタイミングも合わせて確認してください。
そもそもWi-Fiパック自体に入らない、という選択肢もあります。 auひかりのHGWは回線認証などに必要なため外さず、市販のWi-Fiルーターをアクセスポイント(AP/ブリッジ)モードでHGWにつなぎます。HGW内蔵無線LANを契約しなければ、Wi-Fiパックの月額料金は不要です。対応可否や設定方法は機種によって異なるため、購入前にメーカーとauの案内を確認してください。
初期費用相当額割引:電話側の割引も一緒に終わる
もう一つ見落とされがちなのが「初期費用相当額割引」です。auひかり ホーム(au one net)の代表的な特典は、ネット料金と電話料金から分けて割り引かれる仕組みで、電話側の割引が残っている間に電話だけを解約すると、電話料金と一緒にその割引も終了します。 そのため「電話基本料770円がそのまま浮く」とは限りません。
まず、My auの請求明細で「電話サービス利用料」と「初期費用相当額割引」の実額を確認してください。 両方が同額なら電話料金の部分だけ見れば解約による差額はほぼ生じませんが、割引額のほうが小さい場合はその差額分だけ浮く計算になります(例:電話料金770円に対し割引550円なら、差額220円が削減対象)。なお、分割払い中の初期費用残額の残回数と、この割引がいつ終わるかは別物です。両方ともMy auの明細で個別に確認してください。
割引額・割引期間は申込時期によって異なり、KDDIの提供条件書では次のように区分されています(マンションタイプは別設定)。
| 申し込み時期 | 電話サービスの割引 |
|---|---|
| 2018年3月1日〜2021年6月30日 | 550円 × 60カ月(ネット側も137.5円×60カ月) |
| 2021年7月1日〜2025年6月30日 | 550円 × 35カ月(ずっとギガ得)/23カ月(ギガ得・標準) |
| 2025年7月1日以降 | 770円 × 35カ月(ずっとギガ得)/23カ月(ギガ得・標準) |
※電話サービス分の割引は、その光回線設置場所での1契約目・初回の電話サービス申し込みが対象です。割引は原則として課金開始月の翌月から始まります(2018年2月28日以前の契約はさらに別の扱いで、約款の定めによります)。申込時期・プラン・プロバイダによって特典内容が異なるため、正確な割引額・期間はMy auの明細で確認するか、KDDIお客さまセンターに問い合わせてください。
電話側の割引が終わった後(申込時期により23カ月・35カ月・60カ月)は、電話を解約すれば電話料金がそのまま浮くようになります。 ただしこれも電話料金の部分だけの話で、セット割・Wi-Fiパックまで含めた世帯全体の増減は、先ほどの計算式で確認してください。
オプション:使っていない契約がないか確認
auひかり電話には、発信番号表示・割込通話・着信転送などの有料オプション(月110円〜550円)と、迷惑電話撃退などの無料オプションが用意されています。

有料オプションをまとめて申し込むと、合計額に応じて「電話オプションパック」(550円)または「電話オプションパックEX」(759円)が自動適用され、単体で契約するより割安になる仕組みがあります。どちらのパックが適用されるかは、使っているHGWの機種によって決まります。使っていないオプションだけを個別に解約することもできるので、パックの中身を一度確認する価値があります。

ここが本題で、私が担当した相談の範囲では、固定電話の使用頻度が少ないにもかかわらず発信番号表示や電話オプションパックに加入したままのケースがよくあります。契約時に担当者に勧められてそのまま加入した、あるいは以前の回線で使っていたオプションをauひかりでも申し込み、そのまま見直していない、というパターンです。

現役営業の現場から: 「固定電話は月に数回しか使わない」という人が、電話オプションパックEX(月759円)に加入したままのことがあります。固定電話基本料770円+オプション759円で、使っていない電話に毎月1,529円払い続けている状態です。自分が何に加入しているか、一度確認してみることをおすすめします。
確認・変更はMy au(Web)の「インターネット・電話」→「契約内容の確認・変更」から行えます。画面表示は更新される場合があるため、見つからないときは公式サポートで手順を確認してください。
キャッシュバックを申し込んでいるなら、電話の維持条件も確認する
もう一つ、固定電話の解約タイミングを考えるうえで見落とされがちなのがキャッシュバックです。auひかりのキャッシュバックの提供主体と適用条件は、au公式・プロバイダ・代理店・家電量販店など、申し込んだ窓口ごとに異なります。 その受け取り条件の中に、「指定期間まで固定電話や特定オプションを維持していること」が含まれているケースがあります。
確認せず解約すると、キャッシュバック自体が対象外になるおそれがあります。キャッシュバックを申し込んでいる方は、固定電話を解約する前に、申込時の案内書面やメールで受け取り条件(維持期間・対象サービス)を確認してから動いてください。
auひかり電話を解約すると、電話番号はどうなる?(回線ごと解約する場合も同じ)
セット割と並んで、いやそれ以上に多いのがこの質問です。「番号が変わると、取引先にも親戚にも知らせないといけない」——固定電話を解約できずにいる理由は、料金よりも番号であることのほうが多いと感じます。
まず、「電話だけをやめる」場合も「auひかりを回線ごと解約する」場合も、電話番号の扱いは同じです。 どちらでもauひかり電話の契約は終わるので、番号を残したいなら手続きの順番はこの章のとおりになります。違うのは窓口だけで、電話だけの解約はKDDIお客さまセンター、回線ごとの解約は契約プロバイダが窓口です(後述)。引っ越しや乗り換えでauひかり自体をやめる方も、この章をそのまま読んでください。
そのうえで押さえておきたいのは、「番号を残したいなら、まず移行希望先へ引き継げるか確認する」という順番です。 移行先がNTT加入電話か、他社の固定電話サービスかによって、確認のポイントが変わります。
- NTT加入電話へ戻したい場合: その番号を最初に発番したのがどこかが重要な判断材料になります。次の章で詳しく説明します
- 他社の固定電話・IP電話サービスへ移したい場合: 2025年1月開始の双方向番号ポータビリティにより、KDDI発番の番号でも対応する他社サービスへ移せる可能性があります。ただし対象は原則として0AB-J番号(市外局番から始まる番号)で、050番号など一般のIP電話番号を対象にした制度ではありません。エリアによっては制約があり、移行前に契約していたオプションなどは引き継げません
いずれの場合も、移行先へ番号を伝えて「引き継げるか」を確認してから、auひかり電話を解約するという順番を守ってください。今どのサービスで使っているかではなく、この確認の順番を間違えると、戻せたはずの番号が戻らなくなります。
NTT加入電話へ戻せる番号・戻せない番号
| 番号の発番元 | auひかり電話の解約時にNTT加入電話へ戻せるか |
|---|---|
| NTT加入電話で発番された番号(アナログ回線の番号を番号ポータビリティでauひかり電話へ引き継いだケース) | 原則として戻せる(同一市外局番エリア内などの条件あり) |
| KDDIで新しく発番した番号(auひかりの申し込み時に取得したケース) | 戻せない |
| NTT加入電話以外の他社電話サービスで発番された番号 | 戻せない |
KDDIの公式案内にも、「NTT加入電話以外の他社電話サービスで発番された番号をauひかりに番号継続(番号ポータビリティ)された、またはKDDIで新しく番号発番した場合は、auひかり電話を解約する際に、NTT加入電話への番号継続(番号ポータビリティ)することができない番号となります」と明記されています。
ここでいう「戻せる/戻せない」は、あくまで「NTT加入電話への回帰」の話です。 NTT加入電話へは戻せない番号であっても、前述の2025年開始の双方向番号ポータビリティを使えば、他社の固定電話サービスへ移せる可能性があります。「NTT加入電話へ戻せない」=「番号が使えなくなる」ではないので、この2つを混同しないでください。
注意したいのは、「フレッツ光のひかり電話で使っていた番号」がどちらに転ぶかは、これだけでは決まらないという点です。もともとNTT加入電話の番号をひかり電話へ引き継いでいたのならNTT発番にあたるため、同一市外局番エリア内などの条件を満たせば原則として戻せますが、ひかり電話の契約時に新しく発番された番号だったなら戻せません。同じ「ひかり電話で使っていた番号」でも結論が分かれます。判断がつかない場合は自分で決めつけず、番号を伝えてKDDIとNTT東日本/西日本の両方に確認してください。

現役営業の現場から: 「ずっと同じ番号を使っているから大丈夫」と考えている方によく出会いますが、契約書面だけでは発番元を判別できない場合があり、記憶に頼れる話ではありません。家を建てたときに固定電話を引いた方と、ネット契約のついでに電話を付けた方とでは、そもそも番号の出どころが違います。使い続けた年数は判断材料になりません。
手続きの順番を間違えると、戻せる番号も戻せなくなる
ここが最大の落とし穴です。番号を残したい場合は、auひかり電話を解約する前に「移行先の電話事業者」へ番号継続を申し込みます。 NTT加入電話へ戻す場合はNTT東日本/西日本、他社の光電話・IP電話などへ移す場合はその事業者が窓口です。先に解約してしまうと番号自体が消え、どちらの移行もできなくなります。
NTT加入電話へ戻す場合の手順は次のとおりです。
- 自分の番号の発番元を確認する。 auひかり申込時の契約書面・番号ポータビリティ申込書を探す、NTTの利用休止票が残っていないか確認する、以前の電話料金明細を確認する、といった方法があります。それでも分からなければ、番号を伝えてKDDIとNTT東日本/西日本の両方に照会します
- NTT加入電話で発番された番号だった場合、NTT東日本/西日本に申し込む(「auひかり電話の番号をNTT加入電話で継続利用したい」と伝える)
- NTT側で番号を戻すための工事日を決める(費用は工事内容や契約状況によって変わります。 基本工事費のほかに交換機の工事費や派遣工事費がかかることもあるため、総額は申し込み時にNTTへ確認してください)
- NTTの工事が完了すると、番号ポータビリティの切替に伴って、移行対象のauひかり電話契約は原則として終了します(KDDI側へ別途解約の連絡を入れる必要はありません。ただし複数の番号を契約している場合や電話オプションが付いている場合は扱いが変わることがあるため、KDDIにも確認しておくと安全です)
他社の固定電話・IP電話サービスへ移す場合も、窓口が移行先の事業者に変わるだけで考え方は同じです。
逆に、番号を残さなくてよいのであればこの手順は不要です。使っていない番号を守るために工事費と手間をかけるより、番号ごと手放したほうが早いケースもあります。 番号を残す価値があるかどうかを先に決めてから動くと迷いません。
「電話加入権」は解約ではなく休止になっている
もう一つ、番号ポータビリティでauひかり電話にした方に知っておいてほしいことがあります。電話加入権のあるNTT加入電話から番号を引き継いだ場合、その電話加入権は解約ではなく「休止」の状態になっています。 休止の手続き自体はKDDIが代行しますが、休止工事費はNTT東日本/西日本から別途請求されます。なお、加入電話・ライトプランなど、そもそも電話加入権のない契約はこれに当たらず、休止ではなく解約の扱いになります。
気をつけたいのは、この休止が放っておいて永久に続くものではないという点です。NTT東日本・NTT西日本の案内を整理すると、こうなります。
- 当初の利用休止期間は5年
- 5年が経過した時点で再利用や延長の申し出がない場合、NTT側でさらに5年間が自動的に延長される
- それでも、休止工事日から10年間まったく申し出がないと、加入電話契約は解約されたものとして扱われる
つまり、放置していられるのは最長10年です。契約者から延長を申し出れば期間を継続すること自体は可能なので、番号を戻す前提で考えているなら、期限を過ぎる前に一度NTTへ確認しておくのが安全です。
「番号を戻せること」と「加入権が残っていること」は別の話です。auひかり電話へ切り替えてから長い方は、戻す前提で考えているなら、加入権が今どうなっているかをNTT東日本/西日本に確認しておくと安全です。
電話番号を手放す前に確認したい、契約以外への影響
固定電話の見直しというと料金の損得に目が行きがちですが、電話番号そのものに紐づいている契約・機器は、番号を手放す前に一度洗い出しておく価値があります。 具体的には次のようなものです。
- FAX番号として登録している取引先・親戚への連絡先
- ホームセキュリティ・警備会社の緊急通報回線
- インターホン・見守り機器・宅配ボックスなど、固定電話回線を使う住宅設備
- クレジットカード・銀行口座など、本人確認の連絡先として登録している番号
- 高齢の家族や小さな子どもの緊急連絡手段(携帯電話を持たない・使えない家族がいる場合)
特に自動通報装置や警備機器は、auひかり電話に対応していない場合があります。 現在動作しているように見えても、解約を判断する前に警備会社・機器メーカーへ回線種別と対応状況を確認してください。
これらは公式サイトの料金ページには出てこない、契約者ごとの個別事情です。「電話をほとんど使っていないから」という理由だけで判断する前に、電話機に残っている着信・発信履歴を確認し、どこからの着信が多いかを見ておくと、思わぬ見落としを防げます。 My auの通話明細で確認できる場合もありますが、確認できる範囲は契約内容によって異なるため、まずは電話機本体の履歴を確認するのが確実です。
固定電話だけを解約したいときの問い合わせ先
見落とされがちなのが、「auひかり電話だけを解約したい」場合は、契約しているプロバイダではなく問い合わせ先が変わるという点です。
au公式の解約案内には、次のように明記されています。
auひかり電話サービスのみ解約されたい場合は提携プロバイダではなく、KDDIお客さまセンターまでお問い合わせください(@TCOMをご契約の場合は@TCOMへお問い合わせください)。
auひかり回線全体を解約する場合は契約プロバイダ(au one net、So-net、BIGLOBEなど)が窓口になりますが、電話サービスだけを解約したいときは原則としてKDDIお客さまセンターが窓口になります。「プロバイダに電話したのに話が通じなかった」という事態を避けるためにも、電話だけを解約したいと伝える相手を間違えないようにしましょう。
- KDDIお客さまセンター: 0077-7068(無料)/つながらない場合:0120-22-0077(無料)
- 受付時間: 9:00〜18:00(年中無休)
- @TCOM契約の方: @TCOMへ連絡
連絡する際は、次を聞いておくと二度手間を防げます。
- 電話だけを解約した場合、auスマートバリュー/自宅セット割は何月分で終了するか
- Wi-Fiパックの支払額はいくらになるか
- 電話側の初期費用相当額割引は残っているか
- 電話オプションは何に加入しているか
- 解約月の電話基本料とオプション料は日割りされるか
- この番号を他社へ移す場合、先に何をすべきか
現役営業ならこう判断する
料金の損得だけで即決できるケースは少ないというのが実感です。私なら、番号が不要な前提で、次の式が成り立ち、かつキャッシュバックの維持条件も終わっている場合に解約します。
「電話基本料+不要な電話オプション料」>「失うセット割+失うWi-Fiパック割引+失う電話側の初期費用相当額割引」
例えば、電話基本料770円+電話オプションパックEX759円=1,529円を払っているのに対し、失うのがセット割1,100円+Wi-Fiパック330円=1,430円だけなら、この3項目だけの比較では月額99円、解約したほうが安くなる計算です。 一方、電話側の初期費用相当額割引がまだ残っていれば、その分も「失う額」に加わるので、逆転することもあります。「最大1,100円」や「770円」といった単独の数字ではなく、この式に自分の実額を当てはめて判断してください。 それ以外は、まず電話オプションだけを外すところから始めます。
判断の優先順位は次のとおりです。
- 番号を残す必要があるか — 残すなら、そもそも解約手続きの順番を間違えられません。FAXや警備機器など番号に紐づく契約がないかも合わせて確認し、ここが最優先です
- スマホ側の割引が実際にいくら効いているか — 「最大1,100円」ではなく、My auの明細に出ている実額で見ます
- 初期費用相当額割引の電話側割引が、電話料金と同額か — 明細で両方の実額を並べます
- キャッシュバックの受け取り条件に、電話の維持期間が含まれていないか — 申込書面やメールで確認してから動きます
- オプションが乗っていないか — 電話オプションパックが付いたままなら、電話そのものより先にここを削ります
まとめ
auひかり電話は、使っていなくてもセット割や番号維持のために残す価値がある一方、条件を確認しないまま料金だけ払い続けているケースもあります。
- auスマートバリューは原則終了:UQ mobileは「でんきコース」(auでんき、または継続利用中のUQでんき)へ移行できれば維持できる場合があります
- 番号を残すなら、移行先への申し込みが先:先にauひかり電話を解約すると、NTT加入電話にも他社にも番号を戻せなくなります
- 「770円削減」ではなく世帯全体の差額で判断:スマホ割引・Wi-Fiパック・初期費用相当額割引・キャッシュバックの維持条件まで含めて計算してください
- 番号以外への影響も確認:FAXや警備機器、キャッシュバックの維持条件、直近の利用実績を解約前にチェックしてください
解約前チェックリスト
- My auの明細で、セット割・Wi-Fiパック・初期費用相当額割引の実額を確認した
- 電話番号を残す必要があるか決めた(残すなら移行先へ先に申し込む)
- キャッシュバックの受け取り条件に電話の維持期間が含まれていないか確認した
- FAX・警備機器・登録サービスなど、番号に紐づく契約を洗い出した
- 固定電話だけを解約する場合はKDDIお客さまセンター(@TCOM契約は@TCOM)へ連絡する
固定電話まわりの見直しポイントは以上です。関連記事もあわせてどうぞ。
- auひかりの他の見直しポイント(ホームゲートウェイの世代交換)→ auひかりの古いホームゲートウェイは交換すべきか
- 契約している携帯会社によって、固定電話解約時に消えるものが正反対になります(ドコモは光電話がセット割の条件ではないため影響なし、auは条件)→ 固定電話を解約するとどうなる?電話番号・セット割・ネットへの影響
- ソフトバンク光の固定電話解約条件 → ソフトバンク光徹底解説2026
- J:COMの固定電話解約条件 → J:COM固定電話を解約してもセット割は残る?
参照した一次情報(公式サイト)
- auひかり電話(料金・電話オプション)
- 他社電話サービスからauひかりに切り替える際の注意事項(番号継続の可否)
- NTTの電話番号を引き継いだ場合の電話加入権の扱い(休止)
- 固定電話の双方向番号ポータビリティ 2025年1月受付開始(KDDIほか18社)
- 加入電話の利用休止(NTT東日本)
- 加入電話の利用休止(NTT西日本・5年ごとの更新/最大10年)
- auひかりの解約と電話番号の扱い(同一市外局番エリアの条件)
- auスマートバリューの申し込み条件
- auスマートバリューの割引額一覧(現行プラン・受付終了プラン)
- 自宅セット割(UQ mobile公式)
- 自宅セット割の対象サービス・でんきコースの条件(UQ mobile公式)
- 自宅セット割のお申し込み手順(UQ mobile公式)
- 初期費用相当額割引(auひかり ホーム)
- 「初期費用相当額割引」提供条件書(申込時期別の割引額・割引期間/KDDI・PDF)
- Wi-Fiパック(内蔵無線LAN)の料金・割引条件
- 固定電話の双方向番号ポータビリティ・対象番号の解説(NTT東日本)
- auひかりのオプション変更方法
本記事の料金・適用条件・機器仕様は、KDDIおよびUQ mobileの公式情報を2026年7月12日に確認し、電話番号の継続可否・電話加入権の休止、および初期費用相当額割引の申込時期別の内容は2026年7月29日に確認しています。固定電話のみを解約する場合の問い合わせ先、Wi-Fiパックの割引条件、自宅セット割でんきコースの対象範囲、auスマートバリューの旧プラン割引額、双方向番号ポータビリティの対象番号は2026年8月2日、電話サービスのみ解約する場合の窓口は2026年8月27日に確認しています。「現役営業の現場から」と記した部分は私の実務経験に基づく事例であり、全契約者に当てはまる統計ではありません。キャンペーン、対象プラン、手続き方法は変更される場合があるため、申し込み・解約前に各社公式サイトと契約画面で最新情報をご確認ください。

コメント