固定電話を解約するとどうなる?電話番号・セット割・ネットへの影響

固定電話をやめるとセット割も消えるのかを解説する記事のアイキャッチ。請求明細を持ったフクロウのキャラクターと、ドコモは影響なし・auは条件という補足文 料金・セット割

執筆:現役の通信業界営業マンプロフィール・情報の扱いについて →

最終更新:2026年7月31日(各社の公式情報を確認済み。参照した資料は記事末尾に一覧を置いています)

固定電話を解約すると、その電話番号は原則として消えます。 そして解約で減る金額は、契約の種類によってまるで違います。光回線のオプションとして付けている電話なら月550円ほど。昔からのNTT加入電話(アナログ回線)なら、住宅用で月1,980円または2,090円です。桁がひとつ違うので、同じ「固定電話をやめる」でも損得の計算が変わります。

そしてもう一つ。スマホのセット割が一緒に消える会社と、まったく影響しない会社があります。 ここが逆になっているケースが、現場では繰り返し出てきます。

固定電話の解約について調べると、「FAXが使えなくなる」「災害時に困る」といった一般的な注意点はすぐ見つかります。ただ、それを読んでも「自分の場合はいくら損して、何が止まって、どこに連絡すればいいのか」は分かりません。 契約の種類によって答えが変わるからです。

この記事では、各社のキャンペーン比較はしません。いま固定電話を契約している人が、自分の請求書を見ながら「解約していいか」を判定して、次の一歩を踏み出せるところまでを扱います。

先に、結論の早見表

知りたいこと結論詳しくは
どこに解約を申し出るのか原則として、明細に書かれた電話サービスの提供会社です。NTTのロゴが付いた機器を使っていても、契約相手はNTTとは限りません
解約自体にお金はかかるのかNTT加入電話の解約は工事費不要。ただし利用休止を選ぶと3,300円〜かかります。光電話は事業者により異なります
スマホのセット割はどうなるか携帯会社によって正反対。 auは一般的な対象光回線なら終了/ドコモは影響なし/UQは代替できる場合がある/ソフトバンクはセット価格が外れて逆に上がることも
ネットは使えるか使えます。ただしひかり電話用の機器を返すと、ルーター機能やWi-Fiが止まる場合があります(市販ルーターの購入費がかかります)
見落としやすいものホームセキュリティ・インターホン・FAXなど、電話線につながっている機器と、その番号を登録している契約先
電話番号は残せるか解約すると原則消えます。残すなら移行先へ先に申し込む(順番を逆にすると失います)
ひかり電話の番号をアナログに戻せるかひかり電話で新しく取った番号は戻せません。 もとがNTT加入電話の番号なら、条件を満たせば戻せる場合があります

「解約」のほかに、主な選択肢が2つあります。 ここを混同すると判断を誤るので、先に整理しておきます。

選び方電話番号費用の目安
完全に解約する失われますNTT加入電話は工事費不要
NTT加入電話を利用休止にする再開時は番号が変わります(同じ番号は戻りません)3,300円〜(基本工事費2,200円+利用休止工事費1,100円)
番号ポータビリティで他社へ移す条件を満たせば継続できます移行先の工事費が別途かかります

なお、NTT加入電話には同じ番号を維持できる「一時中断」もありますが、中断中も毎月の回線使用料がかかり続けます。固定費を減らすことが目的の本記事では、候補から外して進めます。

出典:NTT東日本「電話の休止・解約」(2026年7月31日確認)

「番号を残したいから利用休止にしよう」と考えている方は、ここで一度止まってください。 利用休止で預けられるのは電話加入権であって、同じ電話番号ではありません。


① まず、自分の固定電話が「どれ」なのかを確認する

いきなり結論から入りたいところですが、ここを飛ばすと以降の判断がすべてずれます。家庭で使われている固定電話は、まず次の主な5種類に分けられます。 そして解約の申し出先も、この5種類で変わります。

見分ける手がかりは、請求書(またはWebの利用明細)に書かれているサービス名と、その提供会社です。

種類請求元明細に出てくる名前の例解約の申し出先
NTT加入電話(アナログ回線・ライトプラン)NTT東日本/西日本「基本料」「加入電話」「回線使用料」NTT東日本/西日本(NTTの固定電話から116。携帯からは東0120-116000/西0800-2000116
NTTひかり電話NTT東日本/西日本「ひかり電話」(フレッツ光の請求と同じ紙に載ります)NTT東日本/西日本(携帯からは東0120-116116=フレッツ光の窓口/西0800-2000116
光コラボの電話ドコモ・ソフトバンク・BIGLOBEなど、契約している会社「ドコモ光電話」「BIGLOBE光電話」「ホワイト光電話」「BBフォン」その光コラボ事業者(NTTでは受け付けられません)
auひかり電話KDDI(プロバイダによっては各社)「auひかり電話サービス」KDDI、またはプロバイダ
ケーブルテレビの電話J:COMなどのケーブル局「J:COM PHONE」などそのケーブル局

明細に上のどれとも違うサービス名が書かれている場合もあります。 携帯電話の電波を使う固定電話型のサービス(ソフトバンクの「おうちのでんわ」など)や、事業者独自の電話サービスがこれに当たります。表に当てはまらないときは、明細に記載されている問い合わせ先へ「これは何という契約か」を確認してください。

紛らわしいのは「ひかり電話」と「光コラボの電話」です。 どちらもNTTの設備を使っていて、機器にもNTTのロゴが付いています。それでも契約相手は別で、受付窓口も別です。明細上の提供会社がドコモならドコモ光電話、NTT東日本/西日本ならフレッツ光のひかり電話、というのが基本的な切り分けです。ただし、これには例外があります。

請求書の発行元と、電話サービスを提供している会社が一致しないことがあるからです。 他社の料金をまとめて請求する「合算請求」や請求代行を使っている場合がこれに当たります。発行元だけで判断せず、明細に書かれたサービス名と、その行の問い合わせ先まで見てください。

現役営業の現場から: 「うちはNTTです」とおっしゃる方の請求書を見せていただくと、実際には光コラボの契約だった——ということを繰り返し確認しています。責められる話ではないと思っています。機器はNTT製で、工事に来るのもNTTの下請けで、電話番号もNTT時代から変わっていない。利用者から見て、変わったのは請求書の社名だけなんです。ただ、申し出先を間違えると「うちでは受け付けられません」と言われて時間を取られるので、ここだけは先に確認しておく価値があります。

NTT加入電話には「解約」と「利用休止」があります

どちらにするかを決めるのは、④まで確認して「電話番号を残さない」と決めたあとです。 ここでは違いだけ先に整理しておきます。

冒頭の表のとおり、休止は電話加入権をNTTに預けるもので、預かり期間は5年(更新して最大10年)です(NTT東日本の案内)。注意したいのは、「番号を残しておきたいから休止」は成立しないという点です。 預けられるのは加入権であって番号ではなく、再開したときの電話番号は変わります。番号を残したいなら、④で説明する番号ポータビリティのほうを検討してください。

なお、電話加入権について「昔払ったお金が戻ってくるのでは」と考えている方は、その前提から確認したほうがいい部分があります。加入電話は基本料の改定とサービス移行の話も別にあるので、そちらは専用の記事に詳しく書いています。

電話加入権として過去に払った金額は、解約しても休止しても戻ってきません。その前提での判断材料と、2026年4月の基本料改定・移行先の選択肢はこちらで解説しています


② 解約で消える割引は、携帯会社によって正反対です

ここがこの記事でいちばんお伝えしたい部分です。固定電話をやめたときのセット割の損得は、固定電話側ではなく、家族が使っているスマホ側で決まります。

この記事は「固定電話をやめたとき」の話ですが、逆に、スマホ側を格安プランに変えたことでセット割がすでに消えていることもあります。ahamo・povo2.0・LINEMOはいずれも対象外です。心当たりがあれば、スマホを格安プランに変えた後の光回線の見直しもあわせて確認してください。

携帯会社一般的な光回線契約での条件解約するとどうなるか
au(auスマートバリュー)条件です。 光回線は「ネット+電話」のセット利用が必要(ホームルーター等は電話不要の例外)一般的な対象光回線では割引が終了します。いまの光回線を残したまま電話だけ外して割引を維持する方法はありません
UQ mobile(自宅セット割)インターネットコースは条件です(ネット+電話)。でんきコースなら不要auでんき/UQでんきを契約中なら、でんきコースへ変更して同じ割引額を維持できる場合があります(旧プランは変更できない場合あり)
ドコモ(ドコモ光セット割)条件ではありません影響しません。 割引はそのまま残ります
ソフトバンク(おうち割 光セット)条件です。 指定オプションに電話サービスが含まれます割引が終了するうえ、セット価格の適用が外れて残したオプションが通常料金になる場合があり、電話をやめたのに月額が上がることがあります

ドコモが「条件ではない」と言い切れるのは、公式の提供条件書に根拠があるからです。 ドコモ光セット割の提供条件書が定める適用条件は、「ドコモ光のペア回線に指定されていること」と「当月内にドコモ光の月額基本使用料の課金が1回線以上あったこと」の2つです。ドコモ光電話の契約は適用条件として定められていません。 したがって、ドコモ光電話だけを解約しても、この2つを満たしているかぎりセット割は続きます。割引額は「ドコモ MAX」などで月1,210円、eximo・irumo(3GB以上)などで月1,100円です。

一方でauには、UQのでんきコースのように「いまの光回線を残したまま電話だけ外して割引を維持する」代替条件がありません。 auスマートバリューの適用条件には「ネット+電話のセットでのご利用が必要です」と明記されています(ホームルーターやWiMAXなど電話が不要な対象サービスもありますが、それは光回線を別のサービスに乗り換える話であって、電話だけを外す話ではありません)。割引額は契約プランによって異なり、現行の主な対象プランでは1回線あたり月1,100円前後ですが、受付を終了した旧プランでは額が変わります。ご自身の割引額は請求明細で確認してください。

UQ mobileには代替条件があります。 自宅セット割には、固定電話を条件にする「インターネットコース」とは別に、auでんき/UQでんきだけで成立する「でんきコース」があります。同じ料金プランで比べれば割引額は同額で、両コースは重複して適用されません。すでにauでんきを契約しているUQ mobileユーザーなら、光電話を払い続ける理由が薄くなります。

ただし2点、先に確認してください。UQでんきは新規受付を終了しており、料金プランによってはでんきコースへ変更できない場合があります。 My UQ mobileか窓口で変更可否を確かめてから、電話の解約を進めてください。そしてもう一点、これは「割引のために電気の契約を変えると得」という話ではありません。 電気を切り替える場合は料金メニューや地域によって電気代の総額が変わるため、通信の割引だけを見て判断すると逆に損をすることがあります。

現役営業の現場から: 「電話代を削りたい」というご相談で、話を聞いてみるとご家族4人がauスマホで、全員にスマートバリューが乗っていた——という状況に何度か行き当たっています。仮に電話が月770円、割引が1回線1,100円だとすると、770円を削るために4,400円の割引を失う計算になり、差し引き月3,600円ほど増えることになります。逆に、ドコモ光をお使いの方や、でんきコースへ変更できることを確認できたUQ mobileの方は、外して正解だと感じることが多いです。 同じ「使っていない固定電話」でも、結論が真逆になります。まず削るべきは、割引の条件になっていない電話です。

ソフトバンク光の「オプションパック」は、光BBユニット・Wi-Fiマルチパック・電話サービスの3点をまとめたものです。電話だけを外したつもりでも、セット価格の適用が外れて、残したオプションが通常料金になる場合があります。 その結果、電話をやめたのに月額が上がることがあります。実際にどうなるかは残すオプションの組み合わせ・電話サービスの種類・契約時期によって変わり、光BBユニットを外すとIPv6の接続方式にも影響するため、増減額の試算は必須です。

ソフトバンク光は「電話だけ外す」と月額が上がる可能性があります。その内訳と、実際にいくら変わるかの試算はこちら

ケーブルテレビ(J:COM)の固定電話は、セット割の条件が「2サービス以上の契約」という別の考え方になります

BIGLOBE光電話を例にした、でんきコースへの具体的な切り替え手順と、割引が途切れない順番はこちら


③ 電話線につながっているものを、外す前に確認する

固定電話の回線には、電話機以外のものがつながっていることがあります。

  • ホームセキュリティ・警備システム(異常を警備会社へ通報する経路として電話回線を使っている場合があります)
  • 集合住宅のインターホン・オートロック(電話回線と連動している機種があります)
  • FAX複合機
  • 見守り端末・緊急通報装置(高齢のご家族が使っている場合)

現役営業の現場から: 警備会社のシステムやインターホンが電話回線につながっていた、というケースには繰り返し遭遇しています。ただし「解約後に使えなくなり、元に戻した」という話は、私が直接担当した案件ではなく、同業者から聞いたものです。 そこは分けてお伝えしておきます。私が自分の目で見ている範囲で言えるのは、こうした機器は普段まったく意識されないということです。電話機のそばではなく、玄関や分電盤の近くに置かれていることも多い。「この家の電話線には何がつながっているか」を、解約を決める前に一度たどってみることをおすすめします。

確認先は電話会社ではなく、その機器の契約先です。 警備会社・管理会社・機器のメーカーに「固定電話(ひかり電話)を解約しても使えるか」を聞いてください。機種や契約年次によって通報経路が違うため、電話会社の窓口では答えられないことがほとんどです。

その番号を「登録している先」も変える必要があります

物理的につながっている機器だけではありません。固定電話の番号を連絡先として登録している契約先があるはずです。番号を残さずに解約する場合は、先にスマホの番号へ変更しておいてください。

銀行・証券/クレジットカード/保険/かかりつけの病院/学校・園の緊急連絡網/勤務先/通販サイトの配送先/自治体の各種届出、あたりが定番です。とくに本人確認の連絡先になっているものは、変更前に解約すると手続きが止まることがあります。

ひかり電話をやめると、ルーター機能が止まることがあります

フレッツ光や光コラボでひかり電話を使っている家庭では、多くの場合ホームゲートウェイ(HGW)という機器が置かれています(PR-500MIやRT-400MIのような型番のものです)。まず、ご自宅の機器の側面に書かれた型番を見てみてください。 この機器は電話の役割だけでなく、ルーターとしても働いていて、無線LANカードを挿してWi-Fiを飛ばしていることもあります。

ひかり電話を解約したあと、この機器をどう扱うかは、契約している事業者・エリア・機器の型番によって変わります。 機器を返却することになる場合もあれば、手元に残ってもルーター機能だけ停止する場合もあります。一律ではないので、解約前に契約先へこの3点を聞いてください。

  1. この機器は返却になりますか
  2. 返却しない場合、ルーター機能は残りますか
  3. 市販のWi-Fiルーターを用意する必要がありますか

「電話をやめたらネットが使えなくなった」の代表的な原因の一つがこれです。回線が止まったのではなくルーター機能が利用できなくなっただけなので、機器を用意すれば復旧します。ただし市販のWi-Fiルーターの購入費が数千円以上かかります。 月550円の節約で解約を検討している場合、初期費用で1年分以上の節約が飛ぶこともあるので、この金額も計算に入れてください。すでに市販ルーターをお使いの方でも、いまブリッジモード(APモード)で動かしているならルーターモードへの設定変更が必要です。


④ 番号を残すなら、順番を間違えないでください

いまの電話番号を残すつもりがない方は、この章を飛ばして「まとめ」へ進んでいただいて構いません。 ここから先は、番号を引き継ぎたい方だけに必要な話です。

固定電話を解約すると、その番号は消えます。 ソフトバンクは公式に、固定電話サービスを解除すると電話番号は消滅し二度と利用できない、と案内しています。一般に、解約後に同じ番号を取り戻すことはできないと考えてください。

番号を残したい場合、正しい順番は「移行先に先に申し込む」です。

  1. 移行先の電話会社に、いまの番号を伝えて引き継げるかどうかを確認する
  2. 引き継げるという回答を得てから、移行の手続きを進める
  3. 移行が完了すると、電話サービスの部分は自動的に解約になる場合があります

3については、移行元と移行先の両方に「何が自動解約になり、何が残るのか」を確認してください。 番号が移っても、ネット回線・付加サービス・機器レンタルは契約が残って請求が続くことがあります。 「番号が移ったから全部終わったはず」と思い込むのがいちばん危ない場面です。

そして、先に解約してはいけません。 解約すると番号が消え、後から取り戻すことはできません。携帯電話のMNPと同じ感覚で「解約してから新規契約」と考えてしまうのが、起きやすい失敗です。

自分の番号の「発番元」を調べる手がかり

ここは、番号をNTT加入電話(アナログ回線)へ戻したい方だけが必要な作業です。 他社の光電話やIP電話へ移すつもりの方は、次の項目まで読み飛ばしていただいて構いません。

引き継げるかどうかを左右する要素のひとつが、その番号を最初に発番したのがどこかです。厄介なことに、発番元は契約書面に書かれていないことがほとんどで、「ずっと同じ番号を使っている」という事実は判断材料になりません。

先に、この作業の位置づけをはっきりさせておきます。

  • 総務省の資料で分かること = 候補を絞れる(他社の番号帯なら、その時点で加入電話へは戻せないと分かる)
  • NTTと現在の契約先への確認 = 最終判定(戻せるかどうかを決めるのはこちら)

自分で資料を調べるのが難しければ、番号をNTTと現在の契約先に伝えて「加入電話へ移せるか」を直接確認するだけでも構いません。 以下は、先に自分でおおよその見当をつけたい方向けの手順です。

総務省は電気通信番号指定状況として、どの市内局番がどの電気通信事業者に指定されているかを公表しています。ここで自分の番号の市外局番+市内局番を調べると、その番号がNTT東日本・西日本に指定された番号帯なのか、KDDIやソフトバンクなど他社に指定された番号帯なのかが分かります。他社に指定された番号帯であれば、NTT加入電話へは戻せません。

ただし、これで分かるのは事業者までです。 NTTの番号帯だった場合に、それが加入電話で発番されたものかひかり電話で発番されたものかまでは、この資料では判別できません。最終的な可否は、NTT東日本・西日本の手続き窓口と、いま契約している事業者の両方に番号を伝えて確認してください。 自分で決めつけず、両方に聞くのが確実です。

NTTの窓口は、NTTの固定電話からなら局番なしの116です。ただし携帯電話や他社の回線からは116につながりません。 加入電話へ戻せるかを相談する窓口は次のとおりです(受付はいずれも9時〜17時、土日・年末年始を除く)。

  • NTT東日本エリア:0120-116000(加入電話などの窓口。フレッツ光・ひかり電話の手続きは0120-116116と分かれています)
  • NTT西日本エリア:0800-2000116

この章を読んでいるのは、多くが他社の光電話をお使いの方だと思います。手元の携帯からかけると116ではつながらないので、上の番号を控えておいてください。

なお、2025年の制度改定以降は、発番元だけで可否が決まるわけではありません。移行先の事業者が対応しているか、提供エリアや番号区画の条件を満たすかも効いてきます。

「双方向番号ポータビリティ」で何が変わり、何が変わらなかったか

2025年1月14日から、固定電話の双方向番号ポータビリティが始まりました。それまでは「NTTの加入電話で取得した番号を他社へ持ち出す」方向しかできませんでしたが、いまは他社が発番した番号やひかり電話の番号も、条件を満たせば他社の固定電話サービスへ引き継げるようになっています。開始時点で18の事業者が参加していましたが、現在どの事業者が対応しているかは移行先に直接確認してください。

ただし、すべての番号がどこへでも移せるようになったわけではありません。

NTT東日本・西日本が総務省の委員会に提出した資料には、こう明記されています。

メタル収容装置へは他社が指定を受けた電話番号、及びNTT東西のひかり電話番号帯からNTT東西のメタル回線(加入電話及びINSネット)へのポートインは(中略)技術的に不可

双方向番号ポータビリティにおける例外規定について(NTT東日本・NTT西日本/2024年5月30日)

かみ砕くと、ひかり電話で新しく発番された番号を、NTTの加入電話(アナログ回線)へ移すことはできないということです。対応事業者の光電話やIP電話へなら、エリアなどの条件を満たせば移せる場合があります。

逆に言えば、もともとNTT加入電話で取った番号をひかり電話へ引き継いで使っている方は、条件を満たせば加入電話へ戻せます。 同じ「ひかり電話で使っている番号」でも、出どころによって結論が分かれます。

現役営業の現場から: 番号について、「当然」とまでは思っていないけれど「たぶん引き継げるだろう」と考えている方が多い印象です。そして光電話で新しく取った番号をアナログに戻した、というケースを私は見たことがありません。 制度上できないので当然ではあるのですが、現場の感覚としても、そもそも光電話で発番されているということはその家はインターネットも契約しているわけで、移した先はいつも別の光電話でした。加えて、いま固定電話の利用者自体が減っています。戻せない番号を守るために工事費と手間をかけるより、番号ごと手放すほうが早いという判断もあります。 そこを先に決めておくと、手続きが一気に楽になります。

自分の番号がどちらに当たるのかを判定する手順は、auひかりの記事で表にして詳しく書いています。考え方は他社でも同じです。

発番元による「戻せる番号・戻せない番号」の判定表と、番号を戻す場合の具体的な手続き手順はこちら


個人的な見解として

私が自分の家の固定電話を見直すとしたら、いちばん判断に迷うのは番号だろうと思っています。私見ですが、ここ数年その番号にかかってきたのが勧誘電話ばかりだったなら、番号を維持するための工事費と手間は見合わないことが多いはずです。逆に、年配のご家族やご近所からの着信が実際にあるなら、それは金額では測れない価値なので、残す判断も十分あり得ます。

機器については、金額の損得ではなく「止まったら困るか」で決めてください。 警備システムやインターホンは、止まってから気づくと生活に直結します。数百円の節約とは比べる対象が違う、というのが私の考えです。

そのうえで、固定電話をやめること自体は、悪い選択ではないと思っています。 使っていない設備に毎月払い続ける理由はありません。ただ、それは「調べたうえでやめる」場合の話です。

なお、固定電話やセット割の見直しを検討するきっかけが営業電話だった場合は、やめる前に電話の相手が総務省に届出をしているかどうかも確認しておくと安心です。光回線の営業電話は怪しい?総務省の届出確認と断り方で解説しています。


まとめ:次にやること

  1. 請求書(またはWeb明細)を開いて、電話サービス名・提供会社・その行の問い合わせ先を確認する。 請求書の発行元と提供会社が違う場合があるので、発行元だけで判断しないでください。ここで自分がNTT加入電話なのか、光電話なのかをはっきりさせます
  2. 家族全員分のスマホの請求を開いて、セット割が適用されている回線数と、1回線ごとの割引額を確認する。 代表の1回線だけ見て終わらせないでください。付いているなら、その割引の条件に固定電話が入っているかを携帯会社に確認する。ドコモは条件ではありません。auは一般的な対象光回線では条件で、同じ光回線を残したまま電話だけ外す代替条件はありません
  3. 電話線をたどって、電話機以外につながっているものがないかを見る。 あれば、その機器の契約先(警備会社・管理会社・メーカー)に確認する。あわせて、その番号を登録している契約先の変更先リストを作る
  4. ひかり電話なら、HGWの型番を控えて契約先に3点(返却か/ルーター機能は残るか/市販ルーターが要るか)を聞く
  5. いまの電話番号を残すかどうかを決める。 残したいなら、解約先ではなく移行先へ先に番号ポータビリティを申し込んでください。 移行が完了するまで、いまの電話サービスを自分で解約してはいけません

ここまで確認できたら、進む先は3つに分かれます。判断の軸は「割引があるかどうか」ではなく、電話料金と失う割引を差し引きした総額です。

  • 番号を残したい解約の連絡より先に、移行先へ番号ポータビリティを申し込む。移行が完了したら、旧契約で何が解約され何が残ったかを移行元へ確認する(電話サービスは自動解約でも、ネット回線・付加サービス・機器レンタルは残って請求が続くことがあります)
  • 番号は不要だが、やめると総額が高くなる(失う割引が電話料金を上回る) → 解約せず、割引条件を変えられないか(UQのでんきコースなど)を先に検討する
  • 番号は不要で、やめると総額が安くなる/変わらない → 機器の確認を済ませ、登録先の電話番号をスマホなどへ変更してから、電話サービスだけを解約する(この場合は次を読んでください)

なおNTT加入電話の方は、この段階で「解約」と「利用休止」のどちらにするかを決めます。 番号を残さないと決めたうえで、電話加入権を手放してよいなら解約、預けておきたいなら利用休止です(利用休止でも同じ番号は戻らないので、番号を残す手段にはなりません)。

解約の連絡をする前に用意するもの・窓口で確認すること

申し込み自体は短時間で済むことが多いのですが、あとから「聞いておけばよかった」となりやすいのが次の項目です。

事前に手元へ用意するもの

  • 契約者名義とお客さま番号(名義が家族や故人になっていると、手続きできる人が限られます)

窓口で確認すること

  1. 電話サービスだけの解約に、工事費や手数料はかかるか(冒頭で触れたとおり、光電話は事業者によって扱いが違います)
  2. 解約日はいつになるか(申し出た日か、月末か、工事日か)
  3. 最終請求はいつの分までか。日割りになるか(電話サービスの料金が日割りされるかは事業者によって違います)
  4. 返却する機器はあるか。あるなら期限はいつか(期限を過ぎると違約金が発生することがあります)

この記事で参照した資料


本記事について:

  • 料金・適用条件・機器仕様は、東日本電信電話株式会社・西日本電信電話株式会社・株式会社NTTドコモ・KDDI株式会社・UQコミュニケーションズ株式会社・ソフトバンク株式会社の公式情報を2026年7月31日に確認しています。
  • 「現役営業の現場から」と記した部分は私の実務経験に基づくもので、全契約者に当てはまる統計ではありません。本文中で「同業者から聞いた」と明記した箇所は伝聞であり、私が直接担当した事例ではありません。
  • スマホの割引の適用条件は料金プランごとに細かく分かれており、本文の表は代表的な条件を整理したものです。 割引額も契約プランや受付時期によって異なります。ご自身の割引がどうなるかは、契約中の携帯会社の窓口でご確認ください。
  • ホームセキュリティ・インターホン・見守り端末などが固定電話の解約後にどうなるかは、機種と契約内容によって異なります。 本記事では一般的な注意点を示すにとどめており、実際の可否は必ず当該機器の契約先(警備会社・管理会社・メーカー)にご確認ください。
  • ホームゲートウェイの返却の要否とルーター機能の扱いは、契約している事業者・エリア・機器の型番によって異なります。 解約前に契約先へご確認ください。
  • 番号ポータビリティの可否は、提供エリア・番号の発番元・移行先事業者の対応状況によって変わります。
  • 制度・料金は変更される場合があるため、最新の情報は各社公式サイトでご確認ください。

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