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最終更新:2026年7月26日(NTT東日本・西日本の公式情報を確認済み)
結論から。2026年4月1日利用分から、NTT東日本・西日本の「加入電話」「加入電話・ライトプラン」の回線使用料が、住宅用で月220円、事務用で月330円上がりました。手続きは不要で、すでに自動で適用されています。ひかり電話は対象外です。
ただ、この記事で伝えたいのは月220円の話ではありません。この値上げが発表されたのと同じ2025年9月29日に、NTT東西は「銅線(メタル回線)を使う加入電話を地域ごとに終了し、光回線・モバイル回線を使う固定電話サービスへ移していく」という方針も発表しています。 固定電話番号を使うサービス全体がなくなるという意味ではありませんが、今の加入電話をこのまま使い続けられる期間には区切りがあります。
この記事では、詳細な料金区分や対象エリアの一覧ではなく、すでに加入電話を契約している人が、請求明細を手元に置いて「何を残し、何を外し、どうするか」を決められることに絞って書きます。
この記事でわかること
- 自分の固定電話が値上げの対象かどうかの見分け方(ひかり電話は対象外です)と、改定後の実額
- 加入電話はいつまで使えるのか——2027年3月31日以降、地域ごとに順次終了します。移行先は3つあり、月額はいまより安くなる場合があります
- 何もしなかったらどうなるのか、電話が突然止まることはあるのか
- 「加入権がもったいない」で使わない回線を残している人が、いちばん損をしやすい理由と、番号を残す正しい順番
- 値上げ額の3倍が消えているかもしれない場所——付加サービスと、レンタルのままの電話機
- 離れて暮らす親の固定電話を見直すときに、まず何をすればいいか
まず、あなたの固定電話は値上げの対象ですか(加入電話とひかり電話の見分け方)
今回値上げされたのは、銅線(メタル回線)を使う「加入電話」と「加入電話・ライトプラン」の回線使用料です。光回線を使う「ひかり電話」「光回線電話」「ひかり電話ネクスト」は対象外です(NTT東日本)。
判別は請求明細のサービス名で行います。 電話番号が市外局番から始まることや、NTTから来た番号であることでは判別できません。「固定電話」「家の電話」と呼んでいても、契約上は加入電話・ひかり電話・他社の直収電話などに分かれています。

住宅用は月1,760円台〜1,870円台が、1,980円〜2,090円になりました
住宅用の加入電話(一般的なプッシュ回線)は、月1,760円または1,870円だったものが、1,980円または2,090円になっています。差額は一律220円です。
金額に幅があるのは「電話サービス取扱所」の級局区分によるもので、自分で選ぶものではなく、収容されている電話局によって決まります。改定後の住宅用は次のとおりです(NTT東日本・西日本とも同額)。
| 契約 | 3級取扱所 | 2級取扱所 | 1級取扱所 |
|---|---|---|---|
| 加入電話(プッシュ回線用) | 2,090円 | 1,980円 | 1,980円 |
| 加入電話(ダイヤル回線用) | 2,090円 | 1,925円 | 1,815円 |
| 加入電話・ライトプラン(プッシュ回線用) | 2,365円 | 2,255円 | 2,255円 |
※事務用はこれより高く、加入電話のプッシュ回線用で2,970円〜3,080円(一律+330円)です。上の金額に加えて、電話番号ごとに電話ユニバーサルサービス料と電話リレーサービス料がかかります(NTT東日本/NTT西日本)。
級局区分は、請求明細の回線使用料と上の表を突き合わせればおおよその見当がつきます。 ただしプッシュ回線の1級と2級はどちらも1,980円で同額なので、金額だけでは区別できません。プッシュ回線かダイヤル回線かも、電話機の「トーン/パルス」設定や発信時の音である程度の見当はつきますが、機種や設定によって判別できないことがあり、電話機側の設定と契約上の回線種別が一致しているとも限りません。正確な契約内容は、後述の116で確認するのが確実です。
ライトプランなら、月275円高い契約かもしれません
上の表でもうひとつ見てほしいのが加入電話・ライトプランの行です。同じ取扱所・同じ回線種別で比べると、ライトプランの回線使用料は通常の加入電話より月275円高く設定されています。年に3,300円です。
これは、契約時に施設設置負担金(後述の39,600円)を払わない代わりに月額が高くなる契約で、請求明細のサービス名に「加入電話・ライトプラン」と書かれていればこちらです。ただし、いまから通常の加入電話へ切り替えるには施設設置負担金が必要になるため、月275円のために39,600円を払うのは現実的ではありません。 ライトプランだった場合は、切り替えではなく後述の「移行」を検討したほうが早いです。

現役営業の現場から: 「うちはNTTだから加入電話だ」と思っていた方の請求明細を一緒に見たら、実際にはひかり電話だった——というケースに何度か出会っています。逆もあります。ニュースを見て不安になったら、まず明細のサービス名を見る。ここを飛ばすと、対象でもない値上げの心配をすることになります。
見直し①:加入電話はいつ終わる?──値上げと同じ日に、サービス移行の方針も発表されています
ここがこの記事でいちばん重要な部分です。
NTT東日本・西日本は2025年9月29日に、回線使用料の改定と、今後の固定電話サービスの方針という2本の資料を同じ日に公表しました。後者の内容は、メタル設備を使う加入電話について、利用の減少と設備の老朽化により、2035年頃までに光回線・モバイル回線を用いたサービスへ段階的に移行するというものです(NTT東日本・西日本の報道発表)。
終了するのは「銅線を使う加入電話」であって、固定電話そのものではありません。 移行先として3つのサービスが用意されており、電話番号も原則として引き継げます。
「2027年3月31日」は全国一斉の終了日ではありません
NTT東日本は自社の加入電話のページにこう明記しています。
2026年5月1日以降、順次加入電話サービスの新規販売を終了、2027年3月31日以降、順次加入電話サービスを終了させていただきます。新規販売終了およびサービス終了の時期はエリアによって異なります。(NTT東日本)
この日付は「順次開始される時期」であって、あなたの家の電話が止まる日ではありません。エリア単位での段階的な終了は2028年度頃から本格化し、全国での移行完了の目安が2035年度とされています。
設備の老朽化が進んでいるエリアや、被災などでメタル設備の再敷設が必要になったエリアから先行して移行が始まっており、先行実施の対象エリアは原則四半期ごとに公表されています(NTT東日本の先行実施エリア一覧)。NTT西日本ではすでに、先行実施エリアで加入電話の新規申し込みを受け付けられない場合があると案内されています(NTT西日本)。
何もしなかったら、電話は突然止まりますか
いちばん不安なところだと思うので、公表されている内容をそのまま書きます。
公式に説明されているのは、移行は、新規・移転の申し込みや問い合わせ、故障対応といった接点をとらえた「移行提案」という形で進められるということです。「契約者が何もしなくても自動的に切り替わる」とは案内されていません。ここから先は私の読み方になりますが、移行提案を受けて、サービス内容や工事を確認したうえで手続きする形になると考えています。
いっぽうで、ある日突然止まるという建て付けにもなっていません。 NTT東日本は移行のステップとして、次のように説明しています。
各エリアでは、サービス終了の1年前までに、対象のお客さまへ複数回の書面周知を通じ、代替サービスへの移行に係るスケジュールや手続きなどを丁寧に説明(書面送付開始の1ヵ月前にホームページ上で対象エリアを広く公表)(NTT東日本)
整理すると、「いつか手続きは必要になるが、少なくとも1年前から複数回の書面が届く」ということです。いま慌てて動く必要はなく、届いた書面を捨てないことのほうが大事だと思います。
移行先は3つ。月額はいまより安くなる場合があります
代替サービスは次の3つで、いずれも住宅用の月額は今の加入電話より安いか、光回線とセットになります。
| 移行先 | 月額(住宅用) | 光回線の契約 | どんな人向けか |
|---|---|---|---|
| 光回線電話 | 3級1,870円/1・2級1,760円 | 不要 | 光回線を引かず、固定電話だけ使い続けたい |
| ワイヤレス固定電話 | 3級1,870円/1・2級1,760円 | 不要 | 光回線電話の提供が難しい環境 |
| ひかり電話 | 550円+フレッツ光などの月額 | 必要 | インターネットもまとめて使いたい |
つまり、光回線電話やワイヤレス固定電話へ移ると月220円下がり、今回の値上げ分がちょうど相殺されます。加入電話3級(プッシュ回線用)の2,090円に対して、移行先は1,870円だからです。これは同じ級局区分・プッシュ回線同士で比べた場合の差で、ダイヤル回線やライトプランからの移行では差額が変わります。
「ワイヤレス固定電話」は聞き慣れない名前だと思うので補足します。 これは携帯電話の電波を使う固定電話サービスで、自宅に「ワイヤレス固定電話TA」という機器(利用料は不要)を置き、そこに今の電話機をつないで使います。電波環境によっては電波を増幅するリピータ(これも利用料不要)を室内に設置することがあります。光回線電話の提供が難しい環境向けに用意されているもので、自分で選ぶというより、環境に応じて案内される位置づけです。
移行の初期費用は「条件を満たせば無料」です
移行にかかる初期費用については、条件を満たす場合に無償とする制度があります。無条件の無料ではないので、条件のほうを書きます。
- 光回線電話/ワイヤレス固定電話へ移る場合:契約料880円と代表的な工事費22,000円の合計22,880円が無償の対象(工事費の内訳はサービスによって異なります)。公式に「初期費用が無料となるご注文例」として挙げられているのは、①加入電話を利用中の人が光回線電話/ワイヤレス固定電話へ移行する場合、②加入電話を利用中の人が引っ越し先で利用する場合、③加入電話を休止中の人が新たに利用する場合、の3つです
- ひかり電話をフレッツ光と同時に申し込む場合:契約料と代表的な工事費の合計が無償の対象。金額はNTT東日本・西日本とも、契約料880円+工事費25,300円の26,180円。ただし2026年7月1日以降に公式ホームページ以外から申し込むと基本工事費が上がり、合計27,280円になります。マンションの全戸加入プランなどはひかり電話に係る工事費のみが対象。なお、こちらの工事費には同番移行工事費2,200円が含まれています
- 対象外・別途かかるもの:契約者の希望による有派遣工事の工事費、移行元で契約していなかったオプションの新設工事費。光回線電話・ワイヤレス固定電話の場合、電話番号を引き継ぐ同番移行工事費(1番号あたり2,200円)は、上の22,000円の内訳に含まれていません。 また、解約ではなく利用休止を選ぶ場合は、別途利用休止工事費が必要です(ワイヤレス固定電話への番号ポータビリティに伴う休止の場合は1,100円と案内されています)
なぜ値上げされたのか
NTT東西が挙げている理由は、移行の理由と重なります。加入電話の契約者数・通信回数・通信時間がピーク時から大幅に減っていること、メタル設備(メタル収容装置とメタルケーブル)の保全に多大なコストがかかり年々増加していること、人件費と物価の上昇、そしてメタル設備を扱える技術者の確保が難しくなっていることです(NTT東日本)。設備を維持しながら移行を進める期間の費用、という説明になっています。

現役営業の現場から: 「メタル回線がなくなる」という話が広まってから、それを持ち出す電話や訪問の相談が増えました。難しいのは、「いずれ終わる」という話自体は本当だという点です。嘘なら否定すれば済みますが、事実を入り口にされると判断が鈍ります。だから私は、事実の部分と、その場で契約を迫る部分を分けて聞くようにお伝えしています。
急かす電話に応じる必要はありません
判断材料は3つです。
- 今回の値上げに手続きは不要です。「値上げの手続きが必要です」「切り替えないと止まります」と言われた時点で、前提が事実と違います
- 移行の案内はNTTから書面で届きます。 終了の1年前までに複数回。第三者の会社に申し込まないと移行できない、ということはありません
- 確認先はNTTの116です。 携帯電話や他社の固定電話からは、NTT東日本が0120-116-000、NTT西日本が0800-2000116(いずれも受付は午前9時〜午後5時)。NTT東日本もNTTを名乗る第三者に注意するよう案内しています(NTT東日本)
その場で決めず、いったん切って自分から公式窓口に掛け直す。これが確実です。値上げを口実にした勧誘全般への対応は2026年の光回線値上げ一覧でも扱っています。
なお、加入電話で他社の通話サービス(マイラインなどで通話部分だけ別会社にしている場合)を使っていると、加入電話のサービス終了日をもって、そのサービスも使えなくなります。 自分がそうかどうかは、請求書が2社から届いていないか、NTTの請求明細に通話料の記載があるかで見当がつきます。判断がつかなければ116で確認してください。
見直し②:電話加入権は返ってこない──「もったいない」で残す前に
現場でよく聞くのが、「もう使っていないけれど、加入権に高いお金を払ったから、番号がなくなるのはもったいない」という理由で回線を残しているケースです。ここには、金額と番号の両方について誤解が入り込んでいます。
施設設置負担金39,600円は、解約しても休止しても返ってきません
いわゆる「電話加入権」は、正式には施設設置負担金といい、現在は39,600円です(ほかに契約料880円。どちらも新規契約時に払うもので、毎月かかるものではありません)。かつて7万2,000円だった時期もあります。
これは預り金ではなく、電話局から自宅までの加入者回線設備の建設費用の一部という位置づけです。解約したときも、利用休止したときも、払い戻しはありません(NTT東日本/NTT西日本)。
SNSなどで「7万2,000円が返金される」という話を見かけることがありますが、回線を持ち続けても、その39,600円が戻ってくる場面はありません。過去に払った金額は、残しても解約しても変わりません。つまり「もったいないから残す」という判断は、すでに払い終えたお金を根拠に、これから毎月払う基本料を増やし続けている状態になります。
利用休止・一時中断・解約は、まったく別物です
使っていない回線を「とりあえず休止」しておこうと考える方は多いのですが、3つの制度は目的が違います。
| 利用休止 | 一時中断 | 解約 | |
|---|---|---|---|
| 再開したときの電話番号 | 変わります | 同じ番号のまま | - |
| 毎月の回線使用料 | かからない | 毎月かかります | かからない |
| 電話加入権(施設設置負担金) | 預かってもらえる | 契約が続く | 消滅する |
| 取扱期間 | 5年。延長を申し出れば最大10年 | 無期限 | - |
| 止めるときの工事費 | 3,300円〜 | 3,300円〜 | 加入電話は無料 |
| 再開するときの工事費 | 3,300円〜 | 3,300円〜 | - |
(NTT東日本。工事費はNTT東日本の標準的な例で、自宅への訪問が必要な工事の場合は22,000円〜になります。NTT西日本を含め、設備状況や工事内容によって異なります)

まず前提として、「加入電話・ライトプラン」は利用休止ができません。 施設設置負担金を払っていない契約なので、預けるべき権利がないためです(権利の譲渡もできません)。ライトプランの方が電話をやめる場合は、契約解除の一択になります。
そのうえで、利用休止に意味があるのは「数年以内にまた固定電話を引く可能性がある人」です。 電話加入権を預かってもらえるので、再開するときに施設設置負担金39,600円を払い直さずに済みます。ここは公平に書いておきます。
ただし、番号を残す目的には使えません。 利用休止は再開時に電話番号が変わります。取扱期間は5年で、延長を申し出れば最大10年ですが、必要な申し出をしないまま期間が過ぎると解約扱いになります。「10年間は自動で権利が守られる」わけではありません。
そして、もう固定電話を使う予定がないなら、いちばん安いのは解約です。 上の表のとおり、加入電話の解約に工事費はかからず、利用休止には往復で工事費がかかります(ただしレンタル機器の返却や、併用しているサービスの解約金は別途確認が必要です)。
番号を残したいなら、目的で分けて考える
番号を残す方法は、「電話を使わずに保留する」のか「別のサービスで使い続ける」のかで変わります。
- 当面使わないが、同じ番号を保留したい → 一時中断。番号は同じままですが、毎月の回線使用料は払い続けます
- 電話は使い続けたい → 光回線電話・ワイヤレス固定電話・ひかり電話、あるいは対応する他社の固定電話・IP電話サービスへ番号を引き継ぐ
2025年1月14日からは双方向番号ポータビリティが始まり、ひかり電話や他社サービスで新しく発番された番号も、対応する別の事業者へ持ち運べるようになりました(NTT西日本)。
ただし引き継げないケースもあります。同一番号区画の外へ引っ越す場合、事業者のサービス提供エリアが異なる場合、技術的な制約がある場合です。また、ひかり電話や他社サービスで払い出された番号を、加入電話・INSネットへ戻すことはできません(これは双方向化された今も変わりません)。
手続きの順番だけは間違えないでください。先に加入電話を解約すると、番号は引き継げなくなります。 必ず移行先を先に申し込み、その際に「この番号を引き継げるか」を確認してください。

現役営業の現場から: 「番号がないと登録できないものがあるから解約できない」という声もよく聞きます。これは正当な理由です。ただ、その場合に必要なのは「加入電話を残すこと」ではなく「その番号を残すこと」です。本当に固定電話番号でなければ駄目なのか、携帯番号に変更できるのかは登録先ごとに違います。銀行、カード、病院、保険、公共料金、警備会社——まず登録先を書き出してみると、話が具体的になります。
見直し③:付加サービスとレンタル電話機──70歳以上は申告でオプションが無料になります
月220円の値上げより、金額として大きい可能性があるのがこちらです。請求明細の「付加機能使用料」「機器使用料」の欄を見てください。
使っていない付加サービス
住宅用の主な月額は次のとおりです。
- ナンバー・ディスプレイ:440円
- ナンバー・リクエスト:220円
- キャッチホン:330円
- ボイスワープ(転送):550円
ナンバー・ディスプレイとナンバー・リクエストの2つで月660円、年7,920円。今回の値上げ額(年2,640円)のちょうど3倍です。
そしてこの2つは、70歳以上の方(または70歳以上の方と同居している方)なら申告で無料にできます。特殊詐欺対策として実施されているもので、注意点は自動では適用されないこと、そしてすでに契約中の人も対象になることです。
現在「ナンバー・ディスプレイ」および「ナンバー・リクエスト」をご契約中のお客さまにおかれましても、2023年4月17日以降に70歳以上である旨または70歳以上の方と同居している旨をご申告いただいた場合、ご申告された翌月分以降の月額利用料を無料とします。(NTT東日本)
申告のしかた: 窓口は116(携帯電話からはNTT東日本0120-116-000/NTT西日本0800-2000116)またはNTTのWebです。伝えるのは「契約者が70歳以上、または70歳以上の方と同居している」という事実で、年齢や同居を確認するための書面の提出を求められる場合があります。適用は申告した翌月分からで、さかのぼって返金されるものではないので、条件に当てはまるなら早いほうが得です。
なお、この無償化は光回線電話・ワイヤレス固定電話・ひかり電話(いずれも住宅用)でも対象なので、移行しても無料のまま使えます。ひかり電話A(エース)やオフィスタイプなど一部のサービスは対象外です(NTT東日本)。
レンタルのままの電話機と屋内配線
請求明細に「電話機使用料」「カラー電話機使用料」「プッシュホン使用料」といった記載がある場合、電話機をNTTからレンタルしている状態です(機種により月198円〜)。NTT西日本は明細にこの記載がある人へ、購入済みでレンタル機が不要なら申し出るよう案内しています(NTT西日本)。
同じ欄に「屋内配線使用料」(月66円)もあります。こちらは自分の設備として使う選択もできますが、その場合は配線が故障したときの修理費が自己負担になるので、無理に外す必要はないと思います。
【NTT西日本エリアの方へ】紙の請求書が、2027年6月から月220円になります
こちらは基本料の値上げとは別の話ですが、金額としては同じくらい効くので触れておきます。
NTT西日本は2027年6月ご請求分から、請求書や口座振替のお知らせを紙で送る場合の発行手数料の対象を、加入電話などの利用者にも広げます。
- 請求書払いで紙:月220円(コンビニ・金融機関窓口での払込手数料55円を含む)
- 口座振替で紙のお知らせ:月165円
- Web明細サービスなら無料
(NTT西日本)
紙の請求書のままだと、今回の基本料の値上げと同じ月220円が、さらに上乗せされることになります。紙でなくて困らないなら、Web明細に切り替えるだけで相殺できる金額です。通話明細内訳書も2026年9月ご請求分から変わります。 Web明細なら無料で確認できますが、紙で受け取り続ける場合は請求書とは別の封筒での郵送になり、発行手数料110円(回線・サービス単位)に加えて、新たに送付手数料110円(1通あたり)がかかります。
ここで注意したいのが、いま紙で受け取っている人が、手続きをしないまま自動的にWebへ切り替わるわけではないことです。Web明細で見たい場合は申し込みが必要で、手続きをしなければ紙のまま(=手数料がかかったまま)届き続けます(NTT西日本のFAQ)。
現時点で公式に案内されているのはNTT西日本エリアの制度です。 NTT東日本エリアの方は、今後の公式発表や個別の案内でご確認ください。

現役営業の現場から: 明細を見せてもらうと、電話機使用料がわりと出てきます。家電量販店で買った電話機を使っているのに、何十年も前のレンタル契約だけが残っている——というケースです。月200円弱でも、20年なら5万円近くになる。値上げのニュースは、この欄を見直すきっかけとしてはちょうどいいタイミングです。

見直し④:停電・警備・ファクス──「災害に強いから残す」の中身を確認する
固定電話を残す理由としてよく挙がるのがこれです。正しい面がありますが、そのまま鵜呑みにすると判断を間違える部分があります。
停電時に強いのは「回線」であって、いまつないでいる電話機ではないかもしれません
メタル回線の加入電話は電話局から電気が送られてくるため、停電時にも使える可能性があります。ただし総務省の案内では、使える可能性があるのは「商用電源を使用しない電話機で利用している場合」に限られ、商用電源を使う電話機で利用している場合は使えないと整理されています(総務省)。
商用電源を使う電話機とは、コンセントにつないで使うタイプのことです。液晶や留守番電話機能のある親機、コードレス子機を使う機種がこれにあたります。
「うちはアナログだから停電でも大丈夫」と思っていても、コンセントを抜くと使えない電話機なら、その安心は成立していません。電話機の説明書で「停電時使用可能」の記載があるか、あるいは外部電源なしで発着信できる仕様かを確認してください。
ただし、確認のために自分で電源を抜くのは慎重に。 警備・見守り・医療機器・ファクスなどを同じ回線につないでいる場合は、自分で配線や電源を触らず、契約先に確認してください。機器の設定や録音内容が失われることもあります。また、電話機単体が動いたとしても、局側の設備や回線の障害まで含めて停電時の通話を保証できるわけではありません。

現役営業の現場から: 「停電でも使えるから固定電話は残したい」とおっしゃる方に、電話機の型番を見せてもらうと、コンセントが必要な機種だったことがあります。この場合、残すべきなのは回線ではなくコード式の電話機を1台用意しておくことかもしれません。防災の目的と、契約の話は分けて考えたほうがすっきりします。
なお、光回線を使う電話(ひかり電話など)は、宅内のONUやホームゲートウェイに電源が必要なため、停電すると原則として使えません。 UPS(無停電電源装置)を用意すれば一定時間は使えます。CATVの電話やISDNも、サービスや機器、バックアップ電源の有無によって扱いが異なるので、契約先に確認してください。ワイヤレス固定電話も電源が必要で、停電時に使うには市販のモバイルバッテリーが必要とされています(NTT東日本)。
移行前に確認しておきたい、停電以外の制約
家庭で音声通話だけを使っている場合、いちばん大きな違いは上の停電時の扱いです。ただし、それ以外にも次のような制約が案内されています。
- オプションの再設定が必要:ボイスワープやナンバー・リクエストは、加入電話で使っていても契約時は停止状態で、移行後に電話機から設定し直す必要があります
- 一部、接続できない電話番号があります
- ファクスやモデム通信:ワイヤレス固定電話では音声・ファクス以外のモデム通信が使えず、ファクスにも固有の操作が必要な場合があります
- 緊急通報装置などが利用できない場合があります
- 引っ越したあとに加入電話へ戻せないことがあります:番号ポータビリティで引き継いだ番号でも、設置場所を変更したあとに加入電話で同じ番号を使えなくなる場合があります
警備・医療機器・ファクスは、それぞれ確認先が違います
「警備の機器があるからひかり電話にできない」という誤解もよく聞きます。実際には、たとえばセコムはマルチ回線アダプタによってIP電話に対応しており、最新のシステムでは電話回線・インターネット回線を使わずに利用できるものもあります(セコム)。「使えなくなる」わけではありません。
ただし、そのまま切り替えても大丈夫という意味でもありません。対応は機器と会社によって異なるため、次のように分けて確認してください。
- 警備・見守り:回線を変更する前に契約している警備会社へ連絡する。主装置とホームゲートウェイをつなぎ替える配線工事が必要になる場合があります
- 緊急通報装置・医療機器:機器の提供元と、かかりつけの医療機関の両方に確認する
- ファクス:IP電話でも使える場合がありますが、機種・通信方式・回線品質によって正常に送受信できないことがあります
- 決済端末・ガス検針など:保守会社に確認する

現役営業の現場から: 「警備が使えなくなると言われた」という話と、「何も言われずに切り替えたら警備が止まった」という話は、どちらも起こり得ます。多くの場合は「使えるが、事前連絡と配線の手配が要る」という話に落ち着きますが、対応可否は会社と機種によります。切り替えの提案を受けたら、警備会社への連絡を誰がいつやるのかまで、その場で決めてしまうのが確実です。
離れて暮らす親の固定電話を見直すときは
この記事を読んでいる方のなかには、実家の契約を代わりに確認しようとしている方も多いと思います。ここだけ先に整理しておきます。
NTTの契約内容の確認や変更は、原則として契約者本人の確認が必要です。 名義が親になっている場合、子が代わりに問い合わせるときは、契約者本人に同席してもらうか、事前にNTTへ必要な書類(委任状など)を確認するのが確実です。いきなり116に掛けても、その場で契約内容を教えてもらえるとは限りません。
そのうえで、まず今日やることは3つです。
- 実家の請求明細(または@ビリングのWeb明細)を1枚用意してもらう。 サービス名が「加入電話」か「ひかり電話」か、付加機能使用料と機器使用料の欄に何が並んでいるかを見る
- 契約者が70歳以上、または70歳以上の方と同居しているなら、ナンバー・ディスプレイとナンバー・リクエストの無償化を申告する。 この記事のなかで、いちばん早く効く見直しです
- NTTから届いた書面を捨てないよう伝える。 移行の案内は書面で、終了の1年前までに複数回届きます

個人的な見解として
私が自分の実家の固定電話をどうするか考えるなら、まず「番号を残す必要が本当にあるか」を先に決めます。
銀行やクレジットカード、病院、公共料金の登録先に固定電話の番号を出している場合、番号を変えると連絡と手続きが一気に発生します。この手間を考えれば、番号を維持する価値は十分あります。逆に、登録先を携帯番号に変えられて、かかってくるのが営業電話ばかりなら、無理に残す理由は薄いと感じます。
そのうえで、番号を残すなら「一時中断で毎月払い続ける」より「移行先に番号を引き継ぐ」ほうを選びます。 加入電話はいずれ終わることが公表されていて、移行先の月額はむしろ安く、初期費用は条件を満たせば無償だからです。
いっぽうで、移行にはデメリットもあります。いちばん大きいのは停電時にそのままでは使えなくなることで、ほかにオプションの再設定やファクス・緊急通報装置まわりの制約もあります。 一人暮らしの高齢の親という状況なら、ここは軽く扱えません。私なら、移行を選ぶかわりに停電対策を別の形で用意します。UPSやモバイルバッテリーを置くか、携帯電話を確実に充電できる手段を家に置くか。あるいは移行しないという判断もあり得ると思います。「安くなるから移行」だけで決めていい話ではないと考えています。
そして、「もったいないから残す」だけが理由なら、それは一度手放していい理由だと思っています。39,600円はもう戻ってきません。戻らないお金のために、毎年2万4千円前後(住宅用の基本料だけの概算・税込。付加サービスや通話料は別)を払い続けるのは、判断としては逆になってしまうからです。
これは一つの参考意見です。災害時の備えや、高齢のご家族が固定電話しか使えないという事情は、金額だけでは測れません。そこは各家庭で判断が分かれるところだと思います。
まとめ
- 値上げは2026年4月1日利用分から、住宅用で月220円・事務用で月330円。手続き不要ですでに適用済み。 対象は「加入電話」「加入電話・ライトプラン」だけで、ひかり電話は対象外。判別は請求明細のサービス名で行う
- 同じ日に、加入電話から光回線・モバイル回線への移行方針も発表されている。 2026年5月1日以降エリア順に新規販売を終了し、2027年3月31日以降エリア順に終了。これは順次開始される時期で、全国一斉の終了日ではない。 終了の1年前までに書面が複数回届く
- 移行先は3つ。光回線電話とワイヤレス固定電話は光回線の契約が不要で、月額はいまより220円安くなる(同じ級局区分・プッシュ回線同士の比較)。初期費用は条件を満たせば無償だが、同番移行工事費などは別。停電時にそのままでは使えなくなるほか、オプションの再設定やファクス・緊急通報装置の制約もある
- 「加入権がもったいない」は残す理由にならない。 施設設置負担金39,600円は解約でも休止でも戻らない。利用休止は電話加入権を預かってもらえるが、再開時に番号が変わるため、番号を残す手段にはならない。使う予定がないなら解約がいちばん安い
- 番号を残すなら順番が命。 先に解約すると引き継げません。必ず移行先を先に申し込み、その番号を引き継げるか確認する
- 値上げ額より大きい金額が別の欄にあるかもしれない。 ナンバー・ディスプレイ+ナンバー・リクエストで月660円、70歳以上は申告すれば既契約でも無料(移行後も対象)。レンタルのままの電話機(月198円〜)も明細で確認する
- 「停電に強い」は電話機次第。警備機器は使えなくなるわけではないが、切り替え前の連絡が必須。医療機器・ファクスは確認先が別
これから固定電話をどうするか考えている方も、何十年も同じ契約のままという方も、値上げの通知を「請求明細を1回だけ見直すきっかけ」にしてもらえればと思います。
2026年の値上げ全体は2026年の光回線値上げ一覧にまとめています。また、すでに光回線を引いていて、そこに光電話も付いている方は、セット割やオプションの条件が別に絡んできます。ご利用中の回線に応じてソフトバンク光の固定電話解約とおうち割やBIGLOBE光電話の解約とセット割、ケーブルテレビをご利用ならJ:COMの固定電話とセット割もあわせてご覧ください。
参考にした公式情報
- NTT東日本「加入電話の回線使用料の改定について」
- NTT東日本・西日本「今後の固定電話サービスについて-メタル回線から光回線/モバイル回線へのサービス移行-」(2025年9月29日)
- NTT東日本「サービス移行の理由と背景」(移行費用の内訳・値上げと移行の理由)
- NTT東日本「代替サービス移行のステップ」(終了1年前までの書面周知)
- NTT東日本「先行実施エリア」
- NTT東日本「加入電話から代替サービスへの移行費用」
- NTT東日本「加入電話」(新規販売終了・サービス終了時期/施設設置負担金/高齢者無償化)
- NTT東日本「ワイヤレス固定電話」(月額・初期費用・無償化条件)
- NTT東日本「電話の休止・解約」(利用休止・一時中断・解約の比較)
- NTT東日本「ナンバー・ディスプレイ」(高齢者無償化の対象回線・工事費)
- NTT東日本「NTTをかたる不審な電話等にご注意ください」
- NTT西日本「解約・利用休止・一時中断」
- NTT西日本「今後の固定電話サービスについて」/[移行費用](https://www.ntt-west.co.jp/denwa/2035denwa/)
- NTT西日本「基本料金(加入電話、INSネット)」(回線使用料・屋内配線使用料・機器使用料)
- NTT西日本「双方向番号ポータビリティの開始について」(2024年12月25日)
- NTT西日本「請求額などのお知らせ方法の変更」(紙の請求書の発行手数料)/よくあるご質問
- NTT西日本「加入電話」(先行実施エリアでの新規受付)
- 総務省「停電の際の固定電話サービスの利用について」
- セコム「ホームセキュリティの通信回線についてよくあるご質問」
本記事の料金・改定時期・サービス終了時期・適用条件は、NTT東日本・NTT西日本・総務省・セコムの公式情報を2026年7月26日に確認しています。回線使用料・工事費はNTT東日本の記載を基本としており(住宅用の回線使用料はNTT東西で同額を確認)、工事費や手続きの細目は東西・設備状況・工事内容によって異なる場合があります。加入電話の新規販売終了およびサービス終了の時期はエリアによって異なり、本記事の日付は「順次開始される時期」です。ご自身の地域がいつになるかは各社公式サイトと届くお知らせでご確認ください。「現役営業の現場から」と記した部分は私が受けた相談に基づく事例であり、全契約者に当てはまる統計ではありません。警備・見守り・医療機器・ファクスの対応可否は、契約している会社と機種によって異なります。制度・料金は変更される場合があるため、最新の情報は各社公式サイトでご確認ください。


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